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Beyond the school gate ※ ――時刻は、午前零時を回ったところ。“もう目覚める時間だよ”。 ――時針は、七と八のちょうど真ん中。“まだお休みの時間だよ”。 ※ わたしの生活のリズムは、“能力”の影響を強く受けている。ふつうのひととは、少し違う。 まず、日の出から日の入りの一時間ほど前まで。日中、わたしはまだしも人間らしくいられる。もうひとりの わたしは眠っている。 夕方。わたしは強烈な眠気に襲われ、そのまま日付が変わるころまで完全に意識を失ってしまう。もうひとり のわたしは、まだ休んで力を蓄えている段階だ。 午前零時から日の出まで。わたしともうひとりのわたしが目覚める。ただし、わたしの肉体は“能力”によっ て狂暴な化け物に変貌していて、精神も目を覚ましたもうひとりのわたしに乗っ取られている。 もうひとりのわたし。 それは“蜘蛛”。 それは“怪物”。 チェンジリング・デイと呼ばれる日、地球に降り注いだ隕石がわたしにもたらした異能のひとつ。わたしの意 思などお構いなしに、天体運動の影響によって確実に発動する、人知及ばぬ捕食者への変身能力。 なまなかな戦闘系能力者をも一蹴する剛力と強靭さ。その性は獰猛凶悪で、知能も人類並。 人間など、獲物か玩具としか思っていない。わたしの世界で一番大切だったひとたちをさもうまそうに食い殺 し、わたしの世界で一番大切なひとにすら囓りつく。 どうすることもできない。わたしには。夕方までに一夜の孤独を探し、誰も傷つけないことを祈り、あとは太 陽を待ちわびるだけ。だった。“無敵”の能力で、一晩中、もうひとりのわたしの爪と牙を引き受けてくれるあ のひとと出会うまでは、そうして各地を転々と渡り歩いていた。 (衛さん……) そして今、また、そばにあのひとはいない。はぐれてしまった。久し振りのひとりぼっち。誰かを傷つけてし まうという恐怖に震える。 陽射しを焦がれる夜は、長すぎる。 (今は、何時だろう?) そんなことばかり考える。この高校の近くに飛んだ(飛ばされた?)のが、変身して数分後、午前〇時一〇分 前後だったはずだ。 それから、運悪く遭遇した高校生のお兄さんにもうひとりのわたしが襲い掛かって、そのひとはどうにか逃げ てくれたのだけれど、……潰れた時間としては二時間くらいは経っているだろうか。一時間半、せめて一時間。 夏の日の出を朝の五時くらいとして……あと四時間も? もうひとりのわたしは、高校生のお兄さんが逃げていった木々の奥をじぃっと見ていた。 ――“そうでなくては、面白くない” それは人語ではなかったけれど、感情の波でもうひとりのわたしが昂揚していることがわかった。 このところ“歯応えのありすぎる”能力者をしゃぶってばかりだったから、いい声で鳴いてくれてお腹に溜ま りそうな獲物を見つけてご満悦なのだろう。おまけに無駄な抵抗までして楽しませてくれる。 (そういえば、あのお兄さん) チェンジリング・デイ以降、まだ覚醒しないひとも稀にはいるけれど、“人類総能力者”の時代。 立ち向かってこなかったことから見るに、あの高校生のお兄さんの能力は、恐らく戦いに応用できるようなも のではないのだろう。……わたしにわからないだけで地味に発動していたのかもしれないが、とにかく戦おうな どと考えず逃げてくれたのは本当に幸いだったと思う。なまじ戦う能力があると、かえって危険な目に遭わせて しまう。 もっとも、反則級の能力者ならば、もうひとりのわたしの暴虐も止められるかもしれないが。 それこそ。 ――衛りに徹する限りにおいて、我が身に害をなす一切を跳ねのけるという無敵であるとか。 ――細胞の活性化により無限の身体能力と回復能力を得るという路地裏の女騎士であるとか。 しかしそんな規格外の能力者は、この時代においても決して多くはない。そもそも宇宙からの贈り物は、戦闘 向きのものばかりでもない。 (どうか) 今のわたしには祈ることしかできない。 あれ以上の怪我なく逃げのびてくれるなら何でもよかった。強力な能力者が来てくれるとか、頑丈な建物に滑 りこんでくれるとか、日の出を迎えるとか、もうひとりのわたしが気まぐれに興味を失うとか。 もうひとりのわたしは、やはり蜘蛛のような八つ足を蠢かせて移動を始めていた。きっとあのお兄さんを見つ け、嬲り殺しにするために。 ※ まだ目がちかちかしていた。うっかり携帯電話なぞ直視してしまったからだ。頭でっかちにいろいろ考えるは いいが、肝心な時に詰めが甘いから困る。 獣ならざる我が身、落葉の層を踏み締めて歩くのに、まったくの無音とはいかない。まして、推定される蜘蛛 の聴覚感度を考えれば。 それでも俺は気持ちだけでもと深く静かに潜行する。 (人工林の中を北上し、西門から抜ける。狩人に回りこまれていれば速やかに引き返す。定期的に電波状況を確 認し、回復していれば即時通報を図る) ごく常識的な行動指針のはずだ。 一歩……また一歩……と道路掃除夫ベッポみたいに進むうち、むやみに巨大な体育館に突き当たった。せいぜ い数分。それほど時間が掛かるものでもない。 人工林の端と体育館との間には、やはり煉瓦敷きの歩道が伸びている。正面の大通りよりわずかに細いが、こ れも東西の門に通じるのでそれなりに幅はある。これを横断するわけではないとはいえ、見晴らしが利くという のは俺にとって面白い要素ではない。 藪陰から視線を水平移動。 心音のペースがまた速くなっている。 (蜘蛛は今、どこにいるのだろう) 鬼ごっこで一番怖いのは、鬼を見失った時だ。小学生の頃に読んだシートン動物記のオオツノヒツジ“クラッ グ”の話でもそう書いてあったはずだ。……もっとも、さっきのようないきなりの接近遭遇の場合、追跡者の位 置の把握なんかにまごまごしていたら、今頃は閻魔大王のむさい髭面を拝みながら自分の罪を数える羽目になっ ていただろうが。 ……見渡した限りはいなさそうだが、この位置からでは死角が多すぎてまったく安心できない。 なんか漫画的なパワーを持つ武術の達人ならば殺気を察知して索敵できるかもしれないが、ただの模範的なだ けの高校生にムチャ言うなよ。 生まれながらの捕食者に本気で息を潜められては、はっきり言ってお手上げだ。 悩むだけ時間の無駄なので、俺は人工林の中を動き回り、限界まで死角を削っておく。 ……やはり、いない。と思う。そう信じたい。 まさにブッシュに隠れている側の俺のほうがアンブッシュを警戒しているというのが少し可笑しい。……いや、 どうでもいいな。 決断する。 (やはりここは速やかに西門をくぐろう) ……言うまでもないが、別に学園の敷地内を出たからといって、そこで蜘蛛がすっぱりと諦めてくれるわけで はない。もし見つかれば、どこまでも追い掛けられて美味しくいただかれるだろう。 だから、最終的な目的地は“交番”だ。そこに着くまでは油断できない。 俺は呼吸を細くしながら、するりと樹木たちの砦を抜け出した。靴裏を押し返す地面の硬さ、剥き出しの腕を 撫でてゆく空気の流れ、冷ややかな月光。 西門をひどく遠くに感じる。 それでも取り敢えずの安全圏を離れてしまえば、このまま行くしかない。ゲートを越えて、たとえ“ほら吹き 男”と謗られようとも、あの恐るべき怪物の危険を知らせなくてはならない。夜明け前よりも早く、出歩いた誰 かが襲われないうちに。 閉ざされた鉄のフェンスの形がはっきりと見える。 あと少し、もうすぐ、この先、あれを乗り越えて……! ――勝ち誇ったような四つの単眼が、西門前で俺を待ち受けていた。 「な……!?」 蜘蛛だった。 やはり、どこかに隠れていたというのか? アシが速すぎるために、どこにいてどういうルートで出現したの かまるで見当もつかないというか見当なんてつけている場合か! 無拍子の速さで、蜘蛛の巨大な口腔が、トンネルのように俺を呑みこもうとする。人類はこれを躱せない。反 応して左右に身を振ったとしても、抜け目なく伸ばされた前肢によって口の中へと掻きこまれるだろう。 ――逃げ場は、ない! そうして俺は、頭から闇に丸齧りに―― ※ ――絶望の闇を薙ぎ払い ――それを打ち砕く光がある! 死をさとった俺の前で、ふたつの金属が激突していた。その瞬間を視たわけではない。ただ、クラッシュ音と でもいうべきものがあった。 「そこの君、無事か!?」 呼び掛ける声。 俺には、一瞬、それが人の声だと分からなかった。どうやら、それだけ自分が直面した“死”というものに衝 撃を受けていたらしい。しっかりしろ、そんなことは後でもできる! そこでようやく、九死に一生を得たと自覚できた。 助かったのだ。絶対に死んだと思ったものが。 ――蜘蛛の思考発動からの転瞬、俺の眼前に割りこみを掛け、怪物の爪牙を捌いた者がいる! 俺を絶体絶命の窮地から救ってくれた何者か。今も俺を守って蜘蛛と相対する男だ。 後姿のシルエットは細身のくせに、やけに幅広に思える背中だった。シャツ一枚を通してもわかる鋼の体は一 見して、マウンテンゴリラが百年を生きて変化したと噂されるうちの美術教諭や、仁科最強候補の一角たる重量 挙げ部の筋肉たちのようでもあるが、しかし纏う何かが決定的に違っている。まるで、御伽噺の戦士のような。 (誰だ?) まるで見覚えのない青年だった。知る限り、仁科の体育教諭ではない。 力強い手には、長大な“金属の棒”を握りこんでいた。まさか、あれで蜘蛛を薙ぎ払ったのか? 棒。あるいは杖、棍、柱……。それもどうやら俺の見慣れているような、バレーボールや棒高跳びで立てる体 育用具の鉄棒などではない。 ――あれは、敵と戦うためだけに生まれた、正真正銘の“打擲武器”だ! 予期せぬ乱入者に、さしもの蜘蛛も跳び退く。 「“異形”――いや、《魔素》を感じない。やはり異世界……!」 いぎょう? 青年の唇から零れた耳慣れぬ単語を俺の耳が拾う。“異形”。それが、この蜘蛛の、人知及ばぬ怪物の名前な のか? ――突然の天変地異。“異形”というらしい蜘蛛の怪物。金属の棒を携えて戦う謎の青年。 ――いったいこの街に何が起こっているというのだろう? ※ ページ最上部へ
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「あーGATE所属遊撃壱番艦インベルフォーク艦長の諌名田だ、 年長者ということで場違いながらも乾杯の音頭を取らせていただくことになった。 本日は大雪と普段であれば恵まれぬ天候だが、クリスマスという事でむしろ歓迎されるべきものであり、 これも偏に貴公らの……」 がつがつむしゃむしゃ。 「……ウナズミ隊員、貴官は上の者の挨拶が行われている時どうすべきか 今までの人生で教わってこなかったかな」 「んぐっ……見知らぬ者も多いこの場、艦長はじめ優秀な人材の命狙うには絶好の機会だと判断し、 毒味を行っていたであります」 「(どういう言い訳だあのアホ……)」 「(俺でもターキーの軟骨までは食わねえな)」 「……ウチの馬鹿程ではないにせよ、今にも腹の虫を鳴らしそうな方もおられるようなので 堅苦しい挨拶は抜きにしてそろそろ……」 「艦長!」 「なんだ」 「この料理に毒はありませんでしたが、それと同じに危険な程……でらうめえ、であります」 「…………乾杯」 乾杯。たくさんのグラスとその言葉が場を揺らした。 十二月二十五日、日本の某所にてクリスマスパーティーが開かれていた。 もちろんこの場に、静かに主へと祈りを捧げるような熱心なキリスト教信者はいない。 日本だもの。酒が飲めて料理が食えて、騒げればそれでよし。 ただクリスマス、大切な人と過ごす、なんて風習があるからして。 「くそう、今年も出会いなく終わる……。だが、だがよ! 今日は最後にして絶好のチャンス! ありがとうキリスト、Yes Jesus!」 水野剣角二十三歳、全力で恋人募集中。 今シーズン十二打席0安打。セカンドまで到達したのはいつのことやら。 一週回って家庭を築くなど夢のまた夢。 「で、なんで俺がついていかなきゃならん」 「そう堅いこと言うな、一人より二人のほうが『最初に引っかかる率』が高い。 一撃退場キャラ同士仲良くやろうぜブラザー」 「ちょっ……待て引っ張るな!」 目指せホーリーナイト、男二人で行くクリスマスナンパツアーの始まりでござい。 難破必死の泥舟とか言わない。 「うへえ、何これかわいい」 "そう言われるのは初めてだが、成る程悪い気はしないな" 「ソノタンクハ何ガ入ッテイルノデスカ?」 女1、少年1、へんなカプセル頭+タンク1。 「おお、早速あそこに年上セクシー美女発見!」 「凄い際どい服装してるが大丈夫か?」 そう放つ青年、ショウ古金もどこぞの戦隊コスチュームなのだが。 「問題ない、人は見かけじゃないぜ」 さっそく先の文句そのままにヘイと声を掛ける剣角。 「私を呼ぶ声が聞こえる!!」 『それだけでどうして自分だと思うんだよ! 自分大好きか!』 「……それからなんか突っ込む声が聞こえる気がする! あ、性夜だからってそっちの意味じゃないぞ」 "会場内では検出されないが" 「イツモノ彼ハ研究所デスシネ」 ――その頃の彼。 「みんな帰ってクリスマス満喫か畜生ー! せめてメンテ作業終わらせてからにしろ動けんわ!」 むせび泣く電子音声、ギルライバーA6。 ひょんなことからロボットと精神が入れ替わった少年の、ロンリーナイトであった。 響く"鉄の"獣の遠吠えが空しさを掻き立てて―― 「今夜これからどうですか」 "ああそうだったこれか、 「うわ酒臭い」 これはガソリンだ" 「ナンパ君か? いいよォ暇だし、 「普通ノモノト違ウヨウデスガ」 お姉さんが遊んでア・ゲ・ル」 "匂いかな、嗅いでみるか?" 「よろこんでー!!」 「オウ……カナリ濃イデスネ」 「そこの残念イケ面ジャーレッドも一緒にどう……なんだこのいい匂い」 漂うフレーバーは尋常ではないレベル、周囲一瞬にして苦い顔だと言うのに プロフェッサー八之州ただ一人逆にクンカクンカと鼻を動かし。 「おお素敵なエネルゲイン、これで君も動いているのか!」 "半分ハソウダナ" 「うふふ、ちょと飲んでみていいかい」 「危険デスヨ、ハカセ」 「なに人で言う血みたいなものだ、それか小○水かと思えばいけるいける」 のどが気持ちよく音を立てております。それがビール等であればの気持ちよさだが。 「本当に問題ないのか」 「うん、俺が悪かった。見かけ以上にアレだった」 凄まじい匂いと、さらには浴びだした真っ黒の奇婦人によってどんよりなツアー一行、 気分を早く切り替えるべく次の目的地へ。 「やや、あそこに見えるは女子二人! いける、2:2でいける!」 「なにがだ」 「俺があの金髪、お前あのちょっとキツそうなほう、ヨロシク!」 走り出せ青春。 「クリスマスって初めてですけど……なんだか素敵ですね」 「変なヤツも多いから僕はあまり好きになれないけど」 「おーいそこのW美少女!」 「……なにかあったんですか?」 「昔ちょっと、ね」 「ちょっとー、そこのお嬢さんたちですよー! ……ほらお前も声かけろ!」 「え、ああ」 「でも、まあ今は平気だよ。それじゃあ折角だし……」 「楽しもう、ですか?」 「思い出、作りたいしね」 「無視か! 無視ですか!」 「……うるさい。くさい。話しかけるな」 ギロリ。ちょっとどころか空気悪いが、そこでめげないのが剣角のいい所。 そう思うのは多分本人だけだが。 「いや、取り込み中の所を邪魔したのは申し訳なかった。 お詫びに食事でも奢らせていただけないだろうか、もちろん二人とも」 世界にとっても必要なのは争う事ではなく、愛よ。 二人を強調することで相手を立てつつ警戒心を解く戦術。 「ここで食べるからいいよ、ね」 「いえ、ここでは到底食べられないような美味しい和食の店があるんです」 「折角の好意ですよ? パーティーの後でならいいと思いますけど」 ナイスフォローだとショウにウィンクが飛んでくるが、なんとも下手糞である。 「そそ、折角だし男女4人でわいわいさ……」 「駄目」 しかし一蹴。「何が駄目なんだよ?」と半分泣きそうな剣角に対し、 「それ」と指す視線の先には、股間にそびえる真・ライガードリル(誇張表現) 冷たい眼差しに加え「ああ」と理解の素振りを見せる金髪。 隣に立つショウまでもキュッとなってしまう。 「そんな事言っても男なんだもん! いいじゃない、それがクリスマス!」 開き直ってるのかヤケクソなのか。 「じゃあ、どの道交渉決裂だ。僕"も"男だし、この子はどっちですらない。というより機械なんだけど」 「え……え?」 「じゃあ行こ」「あっ……なんか、すみません」 「ありのままに起こった事を言うぜ……ひょっとして「レズビアン」かと思ったらあばばばば……」 ぽかんとしていた剣角だが、急に妙な事を口走り。 「うわああああん!! ばかあああああ!!!」 そしてまた走り。 驚くまでは一緒だが、何も泣かなくてもと思いながら、ショウ追いかける。 「うわああああ……あ、うおおおお!!」 「どうしたんだ!?」 急に方向転換。しかし速度は落とさない。否、加速する。 「幼女見つけた!」 「よう……何言ってんだお前!」 華麗なるブレーキング、その先にはぽてぽてと歩く少女。 まあ幼女と言えば幼女といった風貌。 もう珍しくもないが変な服装センスをしていらっしゃる。 そこへ。 「メリークリスマスだこのヤロウ」 紅い服、白い髭、巨大な袋。 サンタクロースの格好をした男が現れる。 空気を呼んでサンタクロース、と言いたい所だが、髭まで逆巻いて見える荒々しいオーラ。 さらには子どもが泣き出しそうなほどに悪い眼つき、これでサンタといったら失礼かもしれない。 「もうどこ行ってたんですか」 「どこでも良いだろ……おうガキ共、メリークリスマスだな」 声を掛けようとした直後、でタイミングを失ったところ、先に男から。 「メ、メリークリスマス……ところでお二人はどういった方で」 恐る恐る。 「ああ、オレはサンタさんだよ……っつー相手でもないか、素敵なリサイクル工場の工場長だ、 人呼んでジャンキーナオトらしいぜ、まったくクールな通り名付けやがって……」 「えっと、じゃあそちらの可愛らしい娘さんは?」 やたらの早口に圧倒されながらも目的へ。 「娘って! オレのって意味かァ!? んな訳ねえだろあってたまるか!」 興奮のついで手を放した事で、ボスンと音たてて袋が落ちる。 むぎゅう。後ろで袋を見ていた当の少女が下敷きに。 「え、じゃあまさか恋人とかじゃないですよね」 「それだと傍目犯罪じゃねぇか、お前ら俺がそんな風に見えるのか!?」 潔白だと言いたいのか髭を取るが、余計というか。 うん、人相が悪い。 「こいつはゴミ箱に挟まってたのが勝手に付いて来てんの。むしろお前らがもらってくれ」 「なんですと!?」 急にテンション逆転。 「お前はそれでいいのか」「ああ、一番いいロリを頼む」 この際形振り構わぬというが、流石に構わなさすぎである。 「まあでもこいつロボットだけどな」 ! つい先の出来事がフラッシュバック。だが。 「ええ、全然大丈夫です。むしろ望むところです」 構わないにも程がある。頭のネジが飛んでったか。 「本当に大丈夫なのか」 「いつまで寝てんだ、 「なに、今気づいたがロボなら ホラこの袋全部お前 むしろ専門分野的な所もある。 のプレゼントだぞ」 なんかアホの子っぽいし 「う・め・た・てゴミ…… 上手く手解きすれば、ね」 埋め立てゴミですか!?」 「駄目だこいつなんとかしないと……って何の音だ」 振り向けばしぼみゆく巨大袋。よく見るとビニール製、しかも文字が書いてある。 そして、書かれた中身はというと。 「幼女めっちゃゴミ喰ってますけどーーー!?」 ずもももと。 「うひゃあ美味しかった」「相変わらず喰い方が汚ぇなあ」 散らした残骸の中には腕らしきものが。 勿論、突き出す金属パーツから人間のものではないのだが、 ちょうど欠けた薬指が少女の口からポロリと落ちたとき、恐怖せずにはいられない。 「そうだほらクラ子、こいつが貰ってくれるってよ」 「駄目ですよ、あなたじゃないと地球資源の未来は――」 「だからそういう事するためにやってんじゃねっつのオレは」 「……うん、いらないですぼくにはもったいないです」 「なんだ、引き取ってくれねえのかあ」 とぼとぼと去る少年を見送るナオトであった。 「……ぷはぁ!!」 シャンパン一気飲みで息を吹き返す。ヤケ酒というやつである。 「なんなんだよこのパーティーはよー。 人間は雄と雌ほぼ一対一だろうがよー。 彼女いなくて欲しい俺がいるならその逆もいるだろコノヤロー。 それがどうだこの有様はー」 そこまで酔う程に飲んではいないはずだが、気分的に泥酔した事にしておきたいのだろう。 「だいたいお前、中身がアレだったから良かったものの全っ然駄目だな。 最後とかほとんどダンマリだったじゃねえか」 「……顔見知しりだったんだよ、もっともあっちは覚えてないみたいだったが」 「なんだ、薄いなーお前。俺と一緒だあはははは。今日は独り身同士、 仲良く飲み明かそうぜー」 「いや俺は……」 唸るのはショウの携帯端末。絡んでくる手を払いコールに応える。 「ん、ああお前か。今?今は知り合いの会合に出てる。 大丈夫だ、もう終わる。ああ、行くよ。……馬鹿、そういうのは会ってから言うもんだ」 「女か」 電話を切るところ覗き込む表情、負のオーラに満ちて。 「うん……いや……まあ……その、なんだ」 オーラ。オーラ。 「メリークリスマス!」脱兎の如くダッシュして去りぬ。 「あらまだ残ってたんですか、照明落としますよ」 そしてパーティーは幕を下ろし、マッスル素肌の上にタキシードな係員が片付けを行う中。 「……ショウ……」 「?」 「チクショオオオオオオオオオ(ブツン)オオォォォォォォォォォ!!!!!」 その悲痛な叫びすら、聖なる夜の暗闇に飲まれていった。 「なんだこの感覚……俺の右腕が……共鳴している……だと!?」 (おわりんこ) ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
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Beyond the school gate ※ ――“異形世界”においては。 西暦二〇XX年、局地的な地震の多発により、日本列島が罅割れた。 国土を網羅する未曾有の震災は全てを引き裂き、復興の遅滞は日本の文明を中世の水準にまで退行させること となる。 機能麻痺から回復できないでいた中央政府に見切りをつけた各地方都市は自治権獲得を目指し、防衛のための 独立武装隊を組織。政府はこれを黙認せざる得なかった。 さらに国連による特別危険地帯指定を経て日本は鎖国に乗り出し、ついに海外との交流を断絶。 大震災からおよそ一五年間の出来事である。 ところで、日本が特別危険地帯指定を受けたのは、災害の頻発だけが理由ではない。 “異形”の出現である―― ――“異形”とは。 地震により生じた地割れから噴き出すように出現した、異形の物たち。 地上の生物など比ではない大量の≪魔素≫を保有する、怪物たち。 硬い甲殻を持つ物、軟体の物、脚のない物、肢の多すぎる物、矮小な物から巨大な物、複数の動物の特徴を併 せ持つ物、あり得ざる体色の物、群れをなす物、単独で行動する物、空を飛ぶ物、地に潜る物、海に棲む物、人 類を凌ぐ知能を誇る物―― それらは多種多様であり、地上の虫鱗介禽獣人などと似て非なる形態と生態を持つ。多くは本能のままに人間 を襲い、震災の混乱を助長した。 第一次・第二次掃討作戦を経て、都市及びその近郊に跋扈していた異形は殲滅ないし撃退され、またその根源 と思しき出雲黄泉比良坂も厳重に封鎖されてはいる。だが、依然として、野にある異形の物が人里を襲撃するこ とは珍しいことではない。 人々は都市の周囲に外郭を築き、武装隊を編成し、時には知性のある異形と条約を締結して、懸命に日々の安 寧を得ようとしていた―― ――≪魔素≫とは。 異形の物たちの出現と前後して発見された、一種の根源物質。元素。 それまで検出手段がなかっただけで、人類を含むあらゆる生き物は本来的に体内に持っていたものである。 とはいえ、大気や水の中にもわずかに存在が確認されたことから、単純に生命力の一種などとして捉えてよい かは未だ意見の割れるところである。中国の思想でいう“氣”の概念に近しいという者もいるが、その詳細につ いては今後の研究を待つしかない。 ――魔法とは。 ≪魔素≫の利用は、既存の科学技術とは異なる接近方法から、地球人類文明の限界を拡張し得る可能性を秘め ていた。 安部―― 蘆屋―― 小角―― 平賀―― 玉梓―― かくして五つの天才が、人知及ばぬはずの元素の振る舞いについて独自に理論を構築し、同じ数だけの魔法体 系を確立した。 ≪魔素≫を励起、指示術式などにより再現性のある現象に誘導する。≪魔素≫はここで初めて可視化し、自然 界への干渉能力を持つようになる。 指先から火を熾し、流水を恣に操り、砲撃を上回る拳を繰り出し、掌の中で鋼の武器を鍛え、異空間に通ずる 門を開く―― すなわち、“魔法”。 もっとも、人類の持つ≪魔素≫は、異形たちと比べればごく微量な上に個人差も極めて大きい。訓練によって ある程度までは機能の増強が認められるが、保有量や制御における先天的な個人の資質はやはり無視できない要 素ではあった。 それでも魔法は人類が有史以来初めて手にした超常の現象であった。その力は、第二次掃討作戦で異形に対し て初めて発揮されることになる―― ――≪魔素≫と異形について。 あらゆる生き物が≪魔素≫を外界から吸収もしくは代謝により産生しているが、その活用に関していえば異形 はやはり別格である。 ≪魔素≫の莫大量と高濃度が異形という存在を規定するといってよい。たとえば原始的な生物が有毒な酸素を 利用してエネルギーを得たように、つまり大地の裂け目の奥の異界だかにおいてそういう進化を遂げてきたもの が異形であるのだと唱える研究者も少なくない。それはしばしば、その名の由来となったはずの形態の特異性な どよりも、異形を異形たらしめる要素といえた。 一般に強大な異形ほど≪魔素≫が多く、濃く、その制御活用に長ける。 ※ 気を失った少女と金属棒をいっしょくたに両腕で抱えて、流しの速さで走りながら、坂上匠(さかがみ たく み)青年は思い出していた。 それは、坂上匠の生きていた世界において、極東の島国が歩んだ歴史の一端であった。震災を境にして、多く のものが変わったのだという。ことなるかたちに。 この異世界、いや正確を期すならこの“学校”と思しき施設のあった世界というべきか、ここはどんなところ なのだろうか。 差し当たって考えるのは、身の安全の確保だった。 早々にあんな“大物”と戦闘することになっただけに、それなりに危険な世界なのかもしれない。 怪物。異形ならざる異形のもの。蜘蛛のような。 あれだけの戦闘能力を誇る異形ならば発散するそれなりの≪魔素≫を感知できたはずで、まったく別の生き物 である。 もしもこんな化け物がうじゃうじゃいるようなら…… (まずいよなぁ……) 青年は金属棒の端を一瞥した。 金属棒。魔棒とも。坂上匠愛用の武器であり、“墓標”という不吉な銘を持つ。 ただの鋼の棍棒ではない。魔法体系を確立した五派閥の一の長である平賀老が開発したそれは、≪魔素≫を効 率的に運用する機能を備えていた。 (……≪魔素≫の伝導率も落ちてるみたいだし……) 先の蜘蛛の怪物との戦闘で刃を形成した際、従来に数倍する≪魔素≫を金属棒に注ぎこんだにも関わらず、想 定していた長さに達しなかった。何かの不具合だろうが、実は匠にはあまり細かな調整はできない。 (ついこの前、爺さんに直してもらったばかりだってのに) まるで修理前に時が巻き戻ってしまったかのようだ。 ちなみに使用分はほぼ還元されないので、今の坂上匠は深刻な≪魔素≫枯渇状態にあった。体力と同様に時間 経過で回復するとはいえ、それを待たずに、目覚めたこの少女や別種の怪物たちと連戦することにならないとも 限らない。 怪物から変身した少女を連れていくかについては少し悩んだ。寝首を掻かれる危険は、とてもではないが、な いとは思えない。 しかしあのままにしておいてはいけないという強烈な保護欲のようなものに駆られ、気がついた時には抱え上 げていた。彼女を野放しにして他の誰かに被害が及ぶよりは自分の目に届くところに置いておいたほうがいいの も理屈の上では確かではあるのだが、どことなく精神攻撃めいた不穏なものを感じなくもない。 「……まあ、なるようになるか」 今どこにいるともしれない白狩衣の少女が聞いたら、あまりのお気楽さに不安がって説教したかもしれない台 詞だった。 口から零れた言葉を無意識に追ったらしく、誘導役を買って先行していた少年がちらと振り向いた。 まだほとんど会話もしていないが、この学校の生徒だろう。どうやらただの一般人であるが、この世界につい ての話くらいは聞かせてもらおう。 ※ 音を聞きつけて学園関係者が来ないとも限らない。 見つかると絶対に面倒なことになる。 剥がれて散らばる煉瓦の群れ、どうやったのか見当もつかない地面の巨大な裂け目、戦闘用金属棒を携えた青 年戦士、そして昏睡する女の子。 「……」 ……どう考えても、青年がいろいろ不名誉な疑いを掛けられて警察にしょっぴかれていくという未来予想しか 浮かばない。特に“昏睡する女の子”あたりはそうとうマズい。 命の恩人がそんな悲惨なことになるのはさすがに忍びない。かといって、俺の口からこの事態について誰もが 納得できるように説明できる自信もなかった。 当然の成り行きとして、俺は青年に一刻も早くこの場を離れることを提案したのだった。 「ここなら……」 辿り着いたのは、仁科学園北西に広がる専用農場。 農業教育の栽培活動などに使われる菜園であるが、その向こうの未使用地域は密林となっている。 冗談でも何でもない。“密林”である。その鬱蒼たることは南米の熱帯雨林を思わせ、そこでは蔦だの食虫植 物だの怪鳥だの変な虫だのが閉じた食物連鎖を繰り広げている。……大丈夫かよ防疫的な意味で。 夜の時間帯、密林の深奥は見通しの利かない暗黒の空間へと変貌を遂げる―― などと、おどろおどろしく言っておいて何だが、さすがにそこまで深く分け入る必要はない。 精密化された機械警備が常識となっている昨今、たとえば教室に置き忘れた宿題のノートを真夜中にこっそり 回収に来るなどファンタジーもいいとこだが、学園敷地といえどさすがに校舎外までは網羅できない。こんな農 場や森林ならば尚更、監視網など布きようもないはずだった。 門あたりにはビデオカメラもあるが、職員室に出入りすることの多い俺はモニタリングの死角くらいは把握し ている。先ほどの青年の大立ち回りは、ぎりぎり範囲から外れていた。 ……ただし、蜘蛛に出くわした俺が回れ右した南門あたりは明確にアウトだ。あの尋常ならざる破壊痕を見た 教員たちが録画の映像を総ざらいでもすれば追及もあり得るかもしれない。しかしまあ、それでも俺ひとりくら いならいくらでも言い訳は立つ。 ……逃走といい隠蔽といい、もはやどこが優等生だよとツッコまれても反論できない感じだが、取り敢えず今 は慎重に行動するのが正解だろう。たまには融通が利くってところも見せないとな。 (む?) そんなことをぼんやりと考えながら密林を外から眺めていると、ふと、違和感に襲われた。 (クスノキ? こんな木あったか?) それだけではない。全体的に、密林の植生が変わっている、ような……。アマゾンみたいなところだったはず なのに、今はごくまっとうな日本の温帯温暖湿潤気候のものに見える。 そこは、どこかの鎮守の森めいて、みだりな人の侵入を拒絶する結界のような空気を孕んでもいた。 ――ぞくり 背筋を寒気が這う。 赤み掛かった月光に照らされて、いくつかの木の樹幹に古い創傷が刻まれているのが見えた。 (何かがいる) 獣だ。――いや、獣ではない。 確信に近かった。この森に入ってはいけない。命が惜しければ。 俺が見知らぬ木々の前で立ち竦んでいると、青年が「よっこしょ」と雑草の絨毯の上に女の子を降ろすのが見 えた。どこかのんきな声のおかげで緊張が緩む。 青年は息も切らしていなかった。消耗しているとはいえ男子高校生の全力疾走に付いて、金属棒と女の子を抱 えたままけっこうな距離を走ったというのに、いったいどういう体力をしているんだ? 「ここらで、いいかな」 青年は躊躇なく女の子のそばに腰を下ろし、俺にも休むように促した。 正直もう座りたいを通り越して寝たいくらいの心境だった俺は、ふたりから気持ち距離を取りつつ疲労回復を 図ることにした。 「……さっきは、ありがとうございました。助かりました」 「いいって。怪我はないか?」 「おかげさまで」 好もしい人物のようだったが、自分から自己紹介ができる雰囲気ではなかった。 「……」 「……」 何となく話題の切り出し方が分からず、会話が止んでしまう。お互い、どこまで関わっていいものやら分から ない、そんな感じだった。 かくして逃げ道を探すように、気を失ったままの少女を何とも言えない表情で覗きこむ男ふたり。ただよう激 烈な犯罪臭。 長く伸ばされた黒髪の艶に見惚れてしまう。可愛らしい花柄のワンピースにフェミニンなボレロを羽織ってい た。最近の小学生はお洒落だなぁとおっさん臭い感想を抱く。 さらに特筆するなら、彼女の首にはもうひとつ――皮革のナイフホルスターが掛かっていた。腰ではなく、首 である。まるで悪趣味なペンダントのように。 ……。 ……ナイフ? ぎょっとした俺は立ち上がって少女に近づき、武骨もいいとこな鞘の内をそっと確かめた。 納まっていたのは短剣だった。ナイフというにはやや刃渡りが長いかもしれない。 それはどう見てもマジもんの危険物だった。実用本位らしい白刃は緩やかに湾曲し、中央に謎の溝が走ってい る。最近の小学生は物騒だなぁとおっさん臭い感想をって何これ怖っ。 青年の金属棒といい、くだんのデバガメヒロインといい、俺たちの街に空前の武装ブームが到来しているのだ ろうか。治安最悪じゃねぇか。もう引っ越したい。 少女の持ち物といえば、それくらいのものだった。さすがにこの時世、女の子のポケットの中身を漁る度胸は ちょっとないが、あの蜘蛛ボディや短剣以上の凶器が出てくるとは思えない。 短剣を首飾りにした少女の唇からは、すぅすぅと微かな寝息が漏れていた。未だ目を覚ます風情はない。 ……天使の寝顔だが、騙されてはいけない。俺をさんざ追い回してくれたサディスティックなモンスターとメ ンタリティは同じだ。 この姿は人間を油断させる擬態なのだろうか? そう思うと見よ、たちまち可憐な少女もおぞましく感じられ てくるではないか。 何にせよ、 (この子を、蜘蛛をどうするか) 今はそれが最優先の懸案事項だろう。どうにかしないとまた誰かが襲われる。下手しなくても死者が出る。 目覚める前に最低でも拘束はしておかなくては危険極まりないと思うのだが、鉄の鎖ていどではあの蜘蛛は抑 えきれないだろう。……となると何も思いつかない。ダメだ俺。 いくら怪物といっても、俺自身にはこの子を殺害したりするような覚悟の持ち合わせはないのだから、ここは “異形”とやらの専門家であるらしいこの青年の判断に従うのが一番よいという気がする。どの道、ただの高校 生の身には余る。 (だがその青年は、蜘蛛を殺さなかった) どういうことなのだろう。青年は対策を知っていると期待していいのか。 何かそういう怪物を外界から隔絶する施設的なものが存在するとか、少女は今夜に限ってたまたま蜘蛛の怨念 に取り憑かれていただけで既に無害とか。考えられる可能性はいくつもある。 しかし青年の沈黙を見るに、何となくそんな雰囲気でもない。実は行き当たりばったりで、女の子に変身した からふらふら判断を保留にしているだけかもしれない。 ……難しい。 「そういえば自己紹介がまだだった。俺は坂上匠」 「先崎俊輔です」 ――来た。 自分でもどうかと思うが、「きみはもう帰っていいよ。……ああ、今日のことは誰にも言わないでくれると、 こちらとしては助かる」とか何とか、青年が事件の関係者として送り出してくれないかなーなどと俺はちょっと 待っていたのだが、特にそんなことはなかった。仁科学園の外でまで変な事件に巻きこまれる予感。 坂上匠さんは、一瞬だけどう切り出したものかと悩ましげな表情を覗かせてから、言った。 「どうやら、世界が混ざり合ってしまったらしい」 どういうことだよ。 つづく ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/gikenjoken/pages/8.html
せっかくwikiを作っていただいたのでいろいろと機能を紹介してみるテスツ。 技問情研@wiki ここには近況とかニュースとかを書いてみるといい希ガス。 1行掲示板 自分の近況とかネタとかをつらつらと書いてみよう。 ナナミさんがしばし麻雀やめるそうです・・・カナシス。 -- 南雲ませ (2005-09-26 13 53 21) 麻雀・TCG・TVゲームに投票。カタンは責任の擦り付けあいがキライなのでパスっ!(お前があそこで取引に応じなければうんぬん) -- 南雲ませ (2005-09-26 13 54 41) その他に投票。理由はRO以外どれも好きだし、むしろエロ漫画派だから。 -- 千鶴 (2005-09-27 01 13 33) まぁTCGが妥当かと ってか一番面白いし -- ナナミ (2005-09-27 01 15 00) 多角経営が祟ってその他に投票。あとは活字とか漫画とか本というカテゴリが無いからというのもある。 -- setar (2005-09-27 18 23 42) むこうぶち大会第二回まーだ。 -- ませ (2005-10-23 18 29 03) 冷蔵庫マダー -- 白雨 (2005-10-24 00 08 57) 麻雀、MTG、雑談、等等にページを階層化したいなと思うんだけど、どうやれば良いのか教えて。エロい人。 -- 千鶴 (2005-10-24 00 46 54) カタン、その他に投票。他興味ないし。 -- かぐや (2005-10-25 03 03 42) リンクをうまく使って擬似的に階層化すればよいんじゃないでしょうか? -- かぐや (2005-10-25 03 06 36) なるほど。暇があったら試みてみます。 -- 千鶴 (2005-10-26 01 23 00) 12月17日だかに会議室取ったらしいですが、飲みとかやるんですかね。 -- 千鶴 (2005-11-19 02 26 47) 16と17にとったのでこれる人の多い日に忘年会でどうでしょうか? -- 白雨 (2005-11-19 21 59 21) その前にれいぞーこなんとかしたいねー。 -- ませ (2005-11-22 13 36 21) 今更だけど、予算会議お疲れ様。 -- 千鶴 (2005-12-13 01 21 23) 学発お疲れ様。 -- 千鶴 (2005-12-19 00 50 50) PHSでメッセンジャー実装完了! -- ませ (2005-12-27 01 19 08) 誰もかかないねえ、一口コメント楽しみなのにー -- ませ (2005-12-29 20 01 11) 結局コミケ行かず。時間ねぇ~。これでとらで販売されなかったら -- ちあいのなかのひと。 (2005-12-30 00 15 44) たらどうしよう。・・・途中で投稿しちゃった(;つД`) -- ちあいのなかのひと (2005-12-30 00 16 29) 2006年1月4日!LYS!LYS! -- ませ (2005-12-31 20 02 15) 新年1げっと -- ませ (2006-01-01 11 33 29) 2げとずざー。 -- 白雨 (2006-01-01 23 50 29) 一月四日の詳細キボンヌ -- 千鶴 (2006-01-02 11 49 17) そーいや試験あけ鍋会とかやるん? -- ませ (2006-02-03 00 48 05) 2月7日にやりますお。今回はおでんです。 -- 白雨 (2006-02-03 23 07 48) 紅魔郷みなぎってますお -- そにつく (2006-02-05 12 36 59) むとぅさん鍋ぱーてーきますお -- ませ (2006-02-05 18 46 41) おでんとか麻雀とかギルティとか、お疲れさま。 -- 千鶴 (2006-02-09 13 15 12) 日曜(12日)カラオケ行きませんか? 14時池袋(仮。とくに意見無ければこののままで。) -- ぷりん(仮)もしくはちあいの中の人。 (2006-02-11 04 03 10) 現在のメンツ:ワタシ、うさぎさん、むとぅさん。行く人はここにレスorうさぎさんに連絡plz -- ぷりん(仮)もしくはちあいの中の人。 (2006-02-11 04 07 30) 日曜18時からバイトな罠。orz -- 白雨 (2006-02-11 04 17 56) 予算どんくらいかねぇ…日曜昼って高いんじゃ? -- ませ (2006-02-11 20 23 06) ビックエコーなら平日と同じ3時間630円ドリンクフリーです。他のとこなら30分100円1ドリンク制とかですね。まぁ夜行くよりははるかに安いですよん。どこ行くかとか何時間歌うかとかは当日決めればいいかなぁと。 -- ぷ(ry (2006-02-11 21 04 41) えこーいいねぇ、あー昼ごはんなんだけど皆で食べない?http //aodai-vn.com/とかいってみたいんだけど。 -- ふむ (2006-02-11 22 06 44) あ、上の投稿私ね。「ぷ」と「ham」とはネット上で会えないから不便じゃ。 -- ませ (2006-02-11 22 09 33) 昼ご飯食べるなら集合13時とかに早めますかねぇ。 -- ぷ。 (2006-02-11 23 28 09) カラオケイベント。13時池袋西口駅前集合。ローターリーの方です。↑のお店でご飯食べた後カラオケへGO。カラオケはビックエコーで3時間。その後はご自由に。という感じで。 -- ぷ。 (2006-02-12 01 01 44) 皆さんおつかれー、次の企画もここに皆で書き込むとよさげ! -- ませ (2006-02-12 23 23 52) 乙でしたー。 -- ぷ。 (2006-02-13 00 06 53) 名前 コメント どちらかというと私は○○派だ。(複数回答可NOT連続投票) だれが何に投票したのかを書いてくれると興味深いですな。あとその他の人は内容もね。 選択肢 投票 麻雀 (3) カタン (1) RO(ネトゲ) (0) TCG (2) TVゲーム (2) その他 (3) 名前 コメント 追伸:最終更新者、白雨。
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こんばんゎ!!rohtoです! 前回のうpからたった4日ですか! 実質うpしたのは27なんで 3日ということで ほんとにあ、っと言う間の更新でしたねw まぁ一個は踊ってみたですけど完全にネタ動画ですしねw ではでは紹介~ まずこれが踊ってみたですね! 巷で噂のごった煮企画!! みんな擦った後踊ってましたが 僕はそんなダンサーではないので永遠擦ってましたww 撮影場所は山奥だったりww 海があったんで山で対抗してみましたw やっててほんとに楽しかったです! これは流行る!w やってみないとわからないおもしろさがありますよwww みなさんもどんどんやってみてくださいw 次はラジオ まぁラジオは毎度のごとくの 過疎ラジオですがw 今回で2回目ですね! がんばってますw そんな感じで2個うpだったんですが みなさま見ていただければ幸いです♪ それでは! 今後もどんどんネタダンスを開発していきますので 今後のrohtoに期待してあげてくださいw それでは!! 前の記事2月24日「【踊ってみた】十面相 short ver.【rohto×10】」 はじめまして「たろ」ですよw -- たろ (2011-03-05 14 31 31) 名前 コメント
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Beyond the school gate ※ (どうりゃいいんだ……これ……) 俺と蜘蛛との運動能力に絶対的な格差が存在するという前提を考えると、まともな鬼ごっこでは勝てない。 頭の中で仁科学園のマップを開く。 俺の現在位置は、校門校舎間を結ぶ煉瓦敷きの大通り。その南門の付近、やや西寄りの地点だ。 南門は校舎から最も遠い。 この大通りには、出会いと別れに花を添える桜の並木がある。さらにその外側は、ちょっとした人工林を挟ん で、西には広大な第一グラウンド、東にはここから近い順に第二グラウンドとテニスなどの競技専用コートと屋 内外のプール施設が敷き詰められている。 一番近いのは第一グラウンドの北にある体育館だろうが、とうに施錠されているだろう。……籠城戦は立て籠 りの態勢を整える前に食い殺されるのがおちか。 迎撃はもちろん選択肢にも入らない。 (となると) ――俺がそれに反応できなかったのは、愚にもつかない思考にかまけていたからではない。 目など離した覚えなどないのに、気づいた時には既に、蜘蛛の姿が俺の視界から、消え―― 「ッ!!」 あれこれ小賢しく考えていた自分が馬鹿に思えるほどに、その時俺が取った行動は、まったく動物的な脊髄反 射によるものだった。 手にした合成革の学生鞄を、鋭い長槍のような何かが串刺しにしていた! 今思えばそれは、自覚できない瞬 間を生きるもうひとりの俺が、食人鬼への生け贄として差し出したものだったのだろう。 死の長槍の正体が蜘蛛の“爪先”であったことを脳が理解する。交通事故にひやりとするのとは訳が違う。俺 に向けられた明確な害意を察知して、全身の皮膚が粟立つ。 ――蜘蛛の怪物が、ついに俺に牙を剥いたのだ! 驚愕と戦慄で凍結していた思考が、ようやく言語化を果たす。 鞄を捨てて脚のひと振りをどうにか受け流し、俺は我が身を翻して地を蹴る。全身の動きに火事場の馬鹿力が 乗り、今よりもっと前へと懸命に俺自身を押し続ける。 だが、これから逃げ延びるのに、人類の二本足はあまりに遅すぎた。 視界の右端。全力疾走しているはずの俺の背後から、さながら死に神の大鎌のように、するすると一条の鈍色 の槍状が伸びてゆく。 ――これは、蜘蛛の、前肢だ――!! 理解した瞬間に“俺の体が浮いていた”。大地から引き剥がされ、体重が行き場を失う感覚。 混乱。 前後不覚からどうにか我に返り、状況判断に掛かる。横から薙ぎ倒されたのだとしか思えない。咄嗟に腕を挟 んで胴を庇ったが、そのひ弱な防御ごと巨大質量に吹き飛ばされ、煉瓦敷きの通りの上にどうと倒れた。 激痛のあまり絶叫もできない。 「……ちっ……」 ……くしょうっ! 俺は悪態を吐きながら、我が身のコンディションをざっとスキャン。重傷と言えるレベルの外傷は負っていな い。ド素人のわざではあったが、どうにか受け身が間に合った。擦過傷だか摩擦熱だかで肌が焼けついている。 自分の呼吸音が尋常ではなかった。瞼が重い。意識が朦朧とし掛かっている。とんでもなく危険な兆候。 (これは、だいぶ、まずそうだ) 絶体絶命の状況を、敢えて柔らかく表現してみる。これで少しは気休めにな……らねーよ! この巨大な蜘蛛のバケモノから逃げ切れる未来のビジョンが、ひとつも頭に浮かんで来ない。 何せ二〇メートルあった隔たりを一瞬にして無に帰し、走る俺の正面に回りこみやがったのだ。一体、どうい う速さをしていやがる! 昆虫のノミが人間大になれば東京タワーを跳び越えられるという喩え話があるが、現実には百歩譲ってサイズ を大きくできたとしてもその時には当然体重も跳ね上がってしまうため、飛距離が伸びることはない。だが、こ いつの身体能力は、まさにそういう仮想の巨大昆虫のそれだ。 先刻の一撃でやられなかっただけでも、もう俺が強運としか言いようがない。 半ば無意識に、うつ伏せの腹を引き摺り、一歩でもこの処刑場から遠ざかろうとする。まるでぶきっちょな爬 虫類にでもなったかのようだな。自分を俯瞰しているもうひとりの自分が喩えて自嘲するが、そんなことしてい る場合か。 そんなすっとろい逃亡をまさか見過ごしてくれるはずもなく、蜘蛛は俺の腹の下に尖った爪先をすうと差し入 れ、ぞんざいに引っ繰り返した。 カブトムシとの戦いの敗者さながらに、あっけなく横転する。 「ぐ……うっ!?」 これが肉体的にはともかく、精神的には手痛かった。絶望がひたひたと現実味を帯びてくる。みっともない声 を恥じる余裕すらない。 仰向けに地に伏せたところで、目の前に蜘蛛の貌。いっそさっさと殺してくれと懇願したくなる。 信号機の畸形のような四つの単眼には、むしろ無邪気な子どものそれを思わせる残虐性が浮かぶ。 きちきちと打ち鳴らされる一対の毒牙は、象牙のように大きい。そういえば、クモの食事の作法は、“毒で動 けなくした獲物に消化液を注入し、体外で溶かしたものを吸う”というものだ。この怪物は、それにしてはやけ に大袈裟な“口腔”を持っているようにも見えるが。 (何だこいつ。ライオンでも丸呑みにできそうじゃないか) ……こんな時に抱く感想としては、我ながら何ともノンキにすぎた。夏休みの自由研究で昆虫を観察する小学 生かお前は。……俺か。セルフツッコミがむなしい。 蜘蛛は俺に兇相を突きつけたきり、獲物の恐怖や抵抗を愉しみに待つように沈黙した。しかしもちろん、この まま五体満足で帰す気などないに決まっている。ネコやカラスが小動物をいたぶって遊ぶようなものだ。 ――“遊ぶ”? そこでふと違和感を覚えた。 どうやら俺は、とんでもない思い違いをしてるのではないか? ――“遊ぶ”。考えてみればおかしな話だ。“昆虫やクモは遊戯などしない” 昆虫などは、ある意味では機械じみてさえいる、よほどシステマティックな生き物だ。本能という形に最適化 されたルーチンは融通が利かないが単純明快で合理的だ。 もしも、この蜘蛛が本能のみで動く怪物であるならば、俺は勝機を見出だすこともできず、第一撃によってき っちり殺されているはずだ。 けれど、俺はまだ死んでいない。麻痺毒の枷を嵌められるでもなく、全力疾走すら可能な体のままで生かされ ている。何故なら、それがこの蜘蛛の遊びだから。 そこに希望の光を見出す。 そう、こいつは“クモ”ではないのだ。クモに姿がよく似ているだけの、サディスティックなモンスターにす ぎない。 狂博士の檻から解き放たれた生物兵器であるにせよ、封印を破って里に下りた妖怪変化であるにせよ。これの 正体が、“遊び”に興じるような精神を持つ者であるならば、 ――あるいはそこに付けこむこともできる! 深呼吸ひとつで、俺は歯車を組み換える。 蜘蛛が退屈そうに俺を爪先で小突く。このモラトリアムも、どうやらそう長くはない。 まあどんな目が出るにせよ、このまま賽も振らずにジリ貧になるよりはましだ。ここは、地獄に垂らされたひ と筋の蜘蛛の糸を手繰るとしよう。 ※ 同時刻。 私立仁科学園体育館に設えられた大武道場は剣道場の一角。 そこは静謐なる空間だった。あるいは大気の中にぴんと張った一本の弦を想う者もいる。無闇に口を利くこと の躊躇われる厳粛な空気は、この場で修練を積み重ねた少年剣士たちの魂が染みついたものか。 蒸し暑いという正常な皮膚感覚すら、ここでは緊張のための空寒さの前に制圧されるだろう。 「ここは」 ぽつりと誰かが発した声が、鋼の線を弾いたように大きな広がりを持って響き渡る。たとえば、青竹を手斧で 割った小気味の良さを伴っていた。 誰か。今は竹刀を打ちこむ者もなくなって久しい時間帯であるはずだ。 誰だ。ここは扉の施錠を教諭によって確かめられた密室であるはずだ。 無人のはずの仁科学園体育館大武道場に姿を見せた何者かは、精悍な眼差しにひと掴みばかりの困惑を散らし て呟く。 「ここは……どこだ?」 青年。 まだ若さの盛りだが、立ち姿には一種達観の境地にあるような落ち着きも窺える。年の頃は二〇代の半ばと見 えた。少なくとも高校生ではない。 着古しのジーンズに縫製のしっかりしたTシャツ。飾らない服装の上からでも、その体が鍛え上げられている ことが分かった。アスリート、軍人、そういう人種を思わせる。 右手に携えるのは、金属製の棒。およそ七尺に及ぶ長さは、青年の身の丈を上回る。滑らかな痩身には叉も装 飾もない。鋼色が纏う“物質としての確かさ”がその最大の特徴と言えるか。 ――ここはどこだ? 何があった? 青年は今一度、我が身が陥った、わけのわからない事態について考察を試みる。 最後の記憶は夜明け前。ひと仕事を終えて仮眠を執ろうと、自室の床に横たわったところだったはずだ。何か と身の回りの世話を焼こうとする白狩衣の娘を遠ざけて、何の気兼ねなく体を休めるつもりだった。 (そこへ、不意に耳のそばで雑音がして跳ね起きた。蠅の羽音に似た微振動) 思い出すだけでも不快になる。あれは何だったのだろう。“そういう音を発するもの”に、心当たりがないで はない。たとえば、手の金属の棒が粉砕すべき異形のものどものうちの数種であるとか。 (しかし、あれは異形じゃなかった。 もっと大きなスケールで、根源的な変化があった感じだ。……存外、“またぞろ世界のいくつかでも重なり合 った”か?) いわゆる“一般人”には理解しかねることを当然のように心のうちに並べてから、青年はのんびりと歩き出し た。足の先が向かうのは体育館の出入り口だ。錠前はもちろん内側から開けられる。 右肩には重さの頼もしい金属の棒。左手には運よくそばに転がっていた履き物の左右。それが、異世界にやっ て来た彼の荷物の全てだった。 (ここにいても仕方がない。外に出て状況確認といこう) うまくすれば仲間と合流できるかもしれない。 磨き上げられた板張りの床を、窓から射しこんだ月光が舐めてゆく。 ※ 蜘蛛の小突く力を利用して立ち上がる。 意表を突き、しかし下手に刺激しないように自然な流れに乗る。俺だって、伊達にどこかの変態少女の不意打 ちハグやちゃっかりキスを躱し続けてきたわけじゃない(伊達とかそういう問題じゃないけど……)。 蜘蛛は出方を窺うように、無機質な目で俺を見ている。……もうクモの視力がどうのこうのなんてことは忘れ よう。希望的観測としても虫のいい話だ。 (逃げ場はひとつ) 人工林以外、有り得ない。 あそこは“林”を名乗るには東西の奥行きが薄いが、木々の間隔がやや狭い。俺なら走ってでも通れるが、目 測した限りあの蜘蛛は体を横にしたって確実に閊(つか)える。もし蜘蛛が、樹木を粉砕してでも獲物を追うな どというクモらしからぬ発想に至ったとしても、時間稼ぎにはなるだろう。 俺は蜘蛛から目を離さず、摺り足でするすると滑って位置を調整。このまま一動作で人工林に跳びこめるまで 距離を削ることができればいいのだが―― そんな祈りも空しく、蜘蛛の姿がまた掻き消える。 (くそがっ!) 摺り足を止め、俺は目的地に向けて死に物狂いで走った。 蜘蛛は俺の逃走経路を読んで割りこんでいた。もはや瞬間移動というべき速さ。 頭蓋骨を一撃で噛み砕くであろう牙が、ぐいとこれ見よがしに突き出される。ヘビに睨まれたカエルならここ で全てを諦めるだろう。本能と本能の歯車は噛み合う。 だが! ――それがただの“威し”であると見抜く だから俺は制動ではなく、最加速を掛ける。 蜘蛛が立ち塞がるなら、背中を蹴って跳び越える。体構造上では背中は蜘蛛の爪牙が及び難いはずではあるが、 その反応速度と敏捷性を考えれば勝算などあるわけもない。ここは博打に出るしかない。遊びと遊びの歯車もま た噛み合うのだと信じて走る。 スニーカーで固めた俺の右足が、蜘蛛の首あたりに着地。 ――踏破――!! 蜘蛛の背中は異様に硬く、反動で足首に痛みすら覚えた。――知ったことか! (ここだ!) 並ぶ木々のうち、おあつらえ向きの株に目を付け、爪先から蜘蛛の首に全体重を射ち出す。 樹木と樹木の狭間。それが生還への門だ。 制服を削るようにしてすり抜ける。 前転して落下の衝撃を殺し、ひと足先に成功を確信。 数瞬遅れで二本の樹木に巨大蜘蛛が激突していた。 繊維の破砕される轟音に胆が冷える。あるいはそれが蜘蛛の渾身の突進であるならば、強引に木をへし折って 突破できたであろうことは疑いようがない。 だが、“遊び”の体当たりではわずかに足りなかった。 力強い樹幹に弾かれて、蜘蛛はそこを一発で抜けられなかった。 一度足を止めざる得なかった。 ――“一度”。そう、一度で充分 さて。 ここで突進の運動エネルギーの全てを消費してしまったクモはどうするか? 後退して再び体当たりするか、怪力でこじ開けて押し通るか。……どちらもスペックの上ではやってのけそう ではある。というかやってのけるだろう。 しかし、どちらにせよ、俺はその時間に第二の“門”を潜り抜ければよい。 「どうせ遊ぶなら、もっと真剣にやろうじゃないか。――なぁ?」 背後に投げ掛けた格好つけの台詞は、息も絶え絶えであまり決まっていなかった。 ――木を舐めてはいけない 樹木は、セルロースとリグニンによる鉄筋コンクリートにも喩えられる、極めて頑丈な構造体だ。たとえば街 路樹の根本に自動車で突っこんでも、倒壊させることは容易ではない。 それに一口に“木”といっても、重さや堅さといった木質から、展開していく根の形状まで、それらはまった く多様性に富んだ生き物だ。もし「以前は倒せたから」という怪物なりの学習があっても、種類を見極めずに舐 めて掛かると思わぬ苦闘を強いられることもある。 ……まぁ、結果論でうまくいったから、こうして余裕ぶって解説なんぞできているわけなんだが。 余計な考えもそこそこに、俺は人工林を駆け抜ける。 (――閑かだ。いや、あの後輩ではなく) どうやら、蜘蛛は追って来ていない。何せあれだけの巨体だ、密集した木々の間を通り抜けようとしていれば 物音がないはずがないからだ。まだ、俺を狩り出すことに血眼になってまではいないらしい。 林間の暗がりにまぎれ、俺はひと息吐く。夜の世界でも一層黒々とした木陰に腰を下ろした。血流が、耳の奥 をごんごんと叩いていた。 実のところ、そこまで長距離を移動したわけではない。昼間ならそろそろ進行方向に体育館が見えてくるあた りだろうか。 このまま蜘蛛が諦めてくれればそれでよし。俺の逃走ルートを予測して迂回するかもしれないが、お生憎だっ たな、俺はもうしばらくここを動く気はない。 位置を特定されて一帯の木々ごと薙ぎ倒されでもしたら打つ手がないが、俺はその前に学園と官憲に通報すれ ばいい。錯乱した演技で「イノシシのような強暴な獣に襲われた」とでも言い張れば、警察官も拳銃の一挺くら いは携行して来てくれるだろう。 (拳銃) あの戦車じみた怪物を殺すには、あまりに頼りない武器にも思える。 震える手で携帯電話をばちりと開く。今はこれが命綱だ。 光源のディスプレイを直視しないように注意しながら、まず【電話帳】から【私立仁科学園高等部】を呼び出 す。知らずに出歩いた教職員が、翌朝死体となって発見されるなんて事態は避けたい。まずはそちらの安全を確 保するべきだろう。日頃からあちこちで信用を売っておいたから、いきなり狼少年扱いはされないはずだ。 (それにしても、いよいよ大事になってきたものだ) 嘆息しながら、俺は携帯電話を耳に当てる。 ――コール音がない 「何っ」 慌ててアンテナのようなアイコンに注目。 電波障害? ――馬鹿な、ここは僻地のトンネルでも何でもないぞ! 藁にすがる思いで一一〇番に掛ける。……やはり繋がらない。 「まじか」 愕然とする。 悠長に電波の回復を待つか? しかし俺がこのまま一夜を明かすようなことになれば、何も知らずに登校して きた誰かが食い殺されるかもしれない。そんなのは、俺はごめんだ。 ならば、さらに人工林の中を北上して校舎内に入るか、もしくは西門を抜けるか。いっそ南下してもいいが、 心理的にはもうイヤだ。……どちらにせよ、蜘蛛の居場所が分からないのだから同じっちゃ同じだけど。 (…………) 悩ましい。 悩ましいが、こんなのもはや答えはひとつしかない。 俺は蜘蛛の見えない影に怯えながら、気持ち北北西に針路を取った。 ※ ページ最上部へ
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なんでもかんでもAndroid情報検索してみたYahoo pipes rss なかなか更新されないので RSSへのリンク も貼っておきます。 大分ごみを減らしました。減らしすぎたかも・・・? キャッシュを消す方法はないんかなあ。。。 showrss プラグインエラー RSSが見つからないか、接続エラーです。
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/3693.html
注意!ちょっとおかしなテンションで書いてます、キャラ崩壊とか知ったこっちゃありませんな感じはあります。 それでも良ければどうぞ 俊「グイッ・・・プハーッ、・・・ちょっとよぉ、俺の扱いさぁ、前々から思ってたけどよぉ!何なんだぁ!?」 俊子「いつも通りなんじゃないの?」 俊「その『いつも通り』に違和感を覚えてんだよ畜生!」 慰月「まぁまぁ落ち着いて、泣きたい気持ちは僕には分からないけど、胸を貸す事ぐらいならできるよ!」 俊子「ちくび突き一本!(ザクッ)」 慰月「あうっ」 俊「そこ!何やってんの!乳繰り合ってんじゃねぇぞ!(ちゃぶ台返し)」 AS「まあ落ち着けよ俊子」 ディレイ「えっ」 俊「えっ」 俊子「乳繰り合うだなんてそんな///」 慰月「えっ」 AS「えっ」 「「「「何このムード」」」」 メモリア「Jubeatやらせろよ!」 俊子「ポップンじゃなくて?」 メモリア「もっと音楽の世界へ踏み込んでくれる人がいてもいいじゃねぇか畜生!(アコーディオンガッシャーン)」 慰月「よーし今日は夜まで寝かせないぞー!騒ぐぞー!」 俊「血が・・・?」 AS「それは騒がない」 俊子「いや、きっと血も騒ぐはず!きっと未知の言語で喋りあってるはずよ!」 ディレイ「お前はそんなに頭がお花畑だったのか?」 俊「ヨッシーアイランド」 慰月「えっ」 AS「は?」 俊子「えっ」 メモリア「何?」 ディレイ「・・・。」 「「「「「何が言いたいんだこいつ」」」」」 俊「ちくび突き隙あり!」 慰月「二度目はないぞ!(指掴んでポキン)」 俊子「ああぁぁぁぁあああ!!指がぁぁぁぁぁぁ!!!!」 慰月「えっ何で俊子が!?」 俊子「私の実験台の指がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 メモリア「何だいつもの俊子か」 ディレイ「お前いつもの俊子知らないだろ」 メモリア「知るかよ!ちょっとスランプでイライラしてるんだ!!」 慰月「ああ、だからいつもよりちょっと気性が・・・」 俊「今日のメモリアは曇りのち雨でございます」 AS「は?」 慰月「えっ」 俊子「さっきから何なのこいつ」 ディレイ「・・・」 メモリア「あながち間違ってないのがムカついた許さんこいつ指へし折る」 慰月「めもめもの手を汚す必要はないよ!(指ボキー)」 メモリア「うおおおお!!!お前までめもめも言うかクソッタレー!!畜生!!隙あり!!」 慰月「予想外の不意打ち!あうっ」 俊子「これってセクハラよね」 ディレイ「セクハラとは何だ?」 AS「お前それぐらい知らないのか・・・(見下しきった態度)」 ディレイ「・・・(イラッ)」 俊「俺ほどこの状況下で一方的に被害受けてる奴はいないと思う」 俊子「そんな事はないと思うんだけど」 AS「それはな、こういうことだ」 ディレイ「な、私の指を掴んで何をするつもりだ!」 AS「隙あり」 慰月「もっともっと予想外の所から!あうっ」 俊「やられっぱなしのピー子もピー子だと思う」 慰月「私は慰月です!」 メモリア「うるせーぞげりピー子!」 慰月「ナチュラルに暴言!ひどい!」 俊子「曲が思いつかなくて滅茶苦茶イライラしてるわねこれは、顔にそう書いてあるわ、っていうか今書いたわ。」 メモリア「・・・」 AS「・・・」 慰月「えっ」 ディレイ「何言ってるんだこいつ」 俊「俺よりアホな奴を見た」 メモリア「フーッ、フーッ、フヒーッ!!」 慰月「ああっ!大事なアコーディオンを担ぎ出した!」 AS「それを持って、俊子の方を向いて・・・」 ディレイ「大きく振りかぶって・・・」 メモリア「ウラミハラサデオクベキカァァァァァァァァ!!!!!(ブオンッ)」 俊「投げたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 俊子「あべし!!!」 AS「こうして俊子は空の流れ星の一つになったのだった、めでたいな。」 俊「これどういう話なの、流れ読めないんだけど(プニプニ)」 慰月「ナチュラルに僕の胸をつついてくるのやめて!」 ディレイ「私達はどういう集まりなんだったか・・・?」 メモリア「確か鍋をやるはずだったろ?(イライラ)」 AS「主催は・・・」 俊「俺だったな、具は持って来てくれるもんだと思って用意してねーぞ」 ディレイ「お前も流れ星になってこい(ギリギリギリ)」 俊「えっそれは・・・」 慰月「(無言の敬礼)」 メモリア「逃 が さ ん(腕ガシッ)」 俊「えっちょっとやめテ」 ディレイ「生まれ変わったら今度は具を持って来い(ブォン)」 俊「う わ ら ば !!!」 メモリア「こうして世界は平和になったのでした・・・(チャン、チャン♪)」 慰月「あれ、音楽演奏できてる!やったねめもめも!」 メモリア「だからナチュラルにめもめも言ってるんじゃねぇぞクソッタレー!!(ドゲシ)」 慰月「効果音に紛れて頭撫でるのはやめ・・・なくていいです!」 AS「具、買ってきたぞ。」 ディレイ「有能だな」 AS「お前とは違うからな」 ディレイ「・・・(イラッ)宣戦布告と受け取った、構わないな?」 慰月「ちょ、ちょっと、すと、ストップ!これから鍋だし、やめよーよ!ね!」 AS「いいだろう、やるか。」 メモリア「・・・これは、あ、アイデアが、きた!!」 慰月「これもうだめだね」 メモリア「(激しい曲調の演奏をする)」 慰月「ああ、何だか鍋に使いそうにない具まで買ってきてるぞあの人。」 慰月「これ鍋じゃなくて、あれとかこれとかの、どうでもいいごった煮ができちゃった。」 慰月「何だか今日はやたらセクハラされた気がするぞ、でも何だかよく分からないごった煮食べれたし別にいいかな。」 この後お腹壊して無茶苦茶げりピー子になった。 おわった。
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注意!ちょっとおかしなテンションで書いてます、キャラ崩壊とか知ったこっちゃありませんな感じはあります。 それでも良ければどうぞ 俊「グイッ・・・プハーッ、・・・ちょっとよぉ、俺の扱いさぁ、前々から思ってたけどよぉ!何なんだぁ!?」 俊子「いつも通りなんじゃないの?」 俊「その『いつも通り』に違和感を覚えてんだよ畜生!」 慰月「まぁまぁ落ち着いて、泣きたい気持ちは僕には分からないけど、胸を貸す事ぐらいならできるよ!」 俊子「ちくび突き一本!(ザクッ)」 慰月「あうっ」 俊「そこ!何やってんの!乳繰り合ってんじゃねぇぞ!(ちゃぶ台返し)」 AS「まあ落ち着けよ俊子」 ディレイ「えっ」 俊「えっ」 俊子「乳繰り合うだなんてそんな///」 慰月「えっ」 AS「えっ」 「「「「何このムード」」」」 メモリア「Jubeatやらせろよ!」 俊子「ポップンじゃなくて?」 メモリア「もっと音楽の世界へ踏み込んでくれる人がいてもいいじゃねぇか畜生!(アコーディオンガッシャーン)」 慰月「よーし今日は夜まで寝かせないぞー!騒ぐぞー!」 俊「血が・・・?」 AS「それは騒がない」 俊子「いや、きっと血も騒ぐはず!きっと未知の言語で喋りあってるはずよ!」 ディレイ「お前はそんなに頭がお花畑だったのか?」 俊「ヨッシーアイランド」 慰月「えっ」 AS「は?」 俊子「えっ」 メモリア「何?」 ディレイ「・・・。」 「「「「「何が言いたいんだこいつ」」」」」 俊「ちくび突き隙あり!」 慰月「二度目はないぞ!(指掴んでポキン)」 俊子「ああぁぁぁぁあああ!!指がぁぁぁぁぁぁ!!!!」 慰月「えっ何で俊子が!?」 俊子「私の実験台の指がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 メモリア「何だいつもの俊子か」 ディレイ「お前いつもの俊子知らないだろ」 メモリア「知るかよ!ちょっとスランプでイライラしてるんだ!!」 慰月「ああ、だからいつもよりちょっと気性が・・・」 俊「今日のメモリアは曇りのち雨でございます」 AS「は?」 慰月「えっ」 俊子「さっきから何なのこいつ」 ディレイ「・・・」 メモリア「あながち間違ってないのがムカついた許さんこいつ指へし折る」 慰月「めもめもの手を汚す必要はないよ!(指ボキー)」 メモリア「うおおおお!!!お前までめもめも言うかクソッタレー!!畜生!!隙あり!!」 慰月「予想外の不意打ち!あうっ」 俊子「これってセクハラよね」 ディレイ「セクハラとは何だ?」 AS「お前それぐらい知らないのか・・・(見下しきった態度)」 ディレイ「・・・(イラッ)」 俊「俺ほどこの状況下で一方的に被害受けてる奴はいないと思う」 俊子「そんな事はないと思うんだけど」 AS「それはな、こういうことだ」 ディレイ「な、私の指を掴んで何をするつもりだ!」 AS「隙あり」 慰月「もっともっと予想外の所から!あうっ」 俊「やられっぱなしのピー子もピー子だと思う」 慰月「私は慰月です!」 メモリア「うるせーぞげりピー子!」 慰月「ナチュラルに暴言!ひどい!」 俊子「曲が思いつかなくて滅茶苦茶イライラしてるわねこれは、顔にそう書いてあるわ、っていうか今書いたわ。」 メモリア「・・・」 AS「・・・」 慰月「えっ」 ディレイ「何言ってるんだこいつ」 俊「俺よりアホな奴を見た」 メモリア「フーッ、フーッ、フヒーッ!!」 慰月「ああっ!大事なアコーディオンを担ぎ出した!」 AS「それを持って、俊子の方を向いて・・・」 ディレイ「大きく振りかぶって・・・」 メモリア「ウラミハラサデオクベキカァァァァァァァァ!!!!!(ブオンッ)」 俊「投げたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 俊子「あべし!!!」 AS「こうして俊子は空の流れ星の一つになったのだった、めでたいな。」 俊「これどういう話なの、流れ読めないんだけど(プニプニ)」 慰月「ナチュラルに僕の胸をつついてくるのやめて!」 ディレイ「私達はどういう集まりなんだったか・・・?」 メモリア「確か鍋をやるはずだったろ?(イライラ)」 AS「主催は・・・」 俊「俺だったな、具は持って来てくれるもんだと思って用意してねーぞ」 ディレイ「お前も流れ星になってこい(ギリギリギリ)」 俊「えっそれは・・・」 慰月「(無言の敬礼)」 メモリア「逃 が さ ん(腕ガシッ)」 俊「えっちょっとやめテ」 ディレイ「生まれ変わったら今度は具を持って来い(ブォン)」 俊「う わ ら ば !!!」 メモリア「こうして世界は平和になったのでした・・・(チャン、チャン♪)」 慰月「あれ、音楽演奏できてる!やったねめもめも!」 メモリア「だからナチュラルにめもめも言ってるんじゃねぇぞクソッタレー!!(ドゲシ)」 慰月「効果音に紛れて頭撫でるのはやめ・・・なくていいです!」 AS「具、買ってきたぞ。」 ディレイ「有能だな」 AS「お前とは違うからな」 ディレイ「・・・(イラッ)宣戦布告と受け取った、構わないな?」 慰月「ちょ、ちょっと、すと、ストップ!これから鍋だし、やめよーよ!ね!」 AS「いいだろう、やるか。」 メモリア「・・・これは、あ、アイデアが、きた!!」 慰月「これもうだめだね」 メモリア「(激しい曲調の演奏をする)」 慰月「ああ、何だか鍋に使いそうにない具まで買ってきてるぞあの人。」 慰月「これ鍋じゃなくて、あれとかこれとかの、どうでもいいごった煮ができちゃった。」 慰月「何だか今日はやたらセクハラされた気がするぞ、でも何だかよく分からないごった煮食べれたし別にいいかな。」 この後お腹壊して無茶苦茶げりピー子になった。 おわった。
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注意!ちょっとおかしなテンションで書いてます、キャラ崩壊とか知ったこっちゃありませんな感じはあります。 それでも良ければどうぞ 俊「グイッ・・・プハーッ、・・・ちょっとよぉ、俺の扱いさぁ、前々から思ってたけどよぉ!何なんだぁ!?」 俊子「いつも通りなんじゃないの?」 俊「その『いつも通り』に違和感を覚えてんだよ畜生!」 慰月「まぁまぁ落ち着いて、泣きたい気持ちは僕には分からないけど、胸を貸す事ぐらいならできるよ!」 俊子「ちくび突き一本!(ザクッ)」 慰月「あうっ」 俊「そこ!何やってんの!乳繰り合ってんじゃねぇぞ!(ちゃぶ台返し)」 AS「まあ落ち着けよ俊子」 ディレイ「えっ」 俊「えっ」 俊子「乳繰り合うだなんてそんな///」 慰月「えっ」 AS「えっ」 「「「「何このムード」」」」 メモリア「Jubeatやらせろよ!」 俊子「ポップンじゃなくて?」 メモリア「もっと音楽の世界へ踏み込んでくれる人がいてもいいじゃねぇか畜生!(アコーディオンガッシャーン)」 慰月「よーし今日は夜まで寝かせないぞー!騒ぐぞー!」 俊「血が・・・?」 AS「それは騒がない」 俊子「いや、きっと血も騒ぐはず!きっと未知の言語で喋りあってるはずよ!」 ディレイ「お前はそんなに頭がお花畑だったのか?」 俊「ヨッシーアイランド」 慰月「えっ」 AS「は?」 俊子「えっ」 メモリア「何?」 ディレイ「・・・。」 「「「「「何が言いたいんだこいつ」」」」」 俊「ちくび突き隙あり!」 慰月「二度目はないぞ!(指掴んでポキン)」 俊子「ああぁぁぁぁあああ!!指がぁぁぁぁぁぁ!!!!」 慰月「えっ何で俊子が!?」 俊子「私の実験台の指がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 メモリア「何だいつもの俊子か」 ディレイ「お前いつもの俊子知らないだろ」 メモリア「知るかよ!ちょっとスランプでイライラしてるんだ!!」 慰月「ああ、だからいつもよりちょっと気性が・・・」 俊「今日のメモリアは曇りのち雨でございます」 AS「は?」 慰月「えっ」 俊子「さっきから何なのこいつ」 ディレイ「・・・」 メモリア「あながち間違ってないのがムカついた許さんこいつ指へし折る」 慰月「めもめもの手を汚す必要はないよ!(指ボキー)」 メモリア「うおおおお!!!お前までめもめも言うかクソッタレー!!畜生!!隙あり!!」 慰月「予想外の不意打ち!あうっ」 俊子「これってセクハラよね」 ディレイ「セクハラとは何だ?」 AS「お前それぐらい知らないのか・・・(見下しきった態度)」 ディレイ「・・・(イラッ)」 俊「俺ほどこの状況下で一方的に被害受けてる奴はいないと思う」 俊子「そんな事はないと思うんだけど」 AS「それはな、こういうことだ」 ディレイ「な、私の指を掴んで何をするつもりだ!」 AS「隙あり」 慰月「もっともっと予想外の所から!あうっ」 俊「やられっぱなしのピー子もピー子だと思う」 慰月「私は慰月です!」 メモリア「うるせーぞげりピー子!」 慰月「ナチュラルに暴言!ひどい!」 俊子「曲が思いつかなくて滅茶苦茶イライラしてるわねこれは、顔にそう書いてあるわ、っていうか今書いたわ。」 メモリア「・・・」 AS「・・・」 慰月「えっ」 ディレイ「何言ってるんだこいつ」 俊「俺よりアホな奴を見た」 メモリア「フーッ、フーッ、フヒーッ!!」 慰月「ああっ!大事なアコーディオンを担ぎ出した!」 AS「それを持って、俊子の方を向いて・・・」 ディレイ「大きく振りかぶって・・・」 メモリア「ウラミハラサデオクベキカァァァァァァァァ!!!!!(ブオンッ)」 俊「投げたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 俊子「あべし!!!」 AS「こうして俊子は空の流れ星の一つになったのだった、めでたいな。」 俊「これどういう話なの、流れ読めないんだけど(プニプニ)」 慰月「ナチュラルに僕の胸をつついてくるのやめて!」 ディレイ「私達はどういう集まりなんだったか・・・?」 メモリア「確か鍋をやるはずだったろ?(イライラ)」 AS「主催は・・・」 俊「俺だったな、具は持って来てくれるもんだと思って用意してねーぞ」 ディレイ「お前も流れ星になってこい(ギリギリギリ)」 俊「えっそれは・・・」 慰月「(無言の敬礼)」 メモリア「逃 が さ ん(腕ガシッ)」 俊「えっちょっとやめテ」 ディレイ「生まれ変わったら今度は具を持って来い(ブォン)」 俊「う わ ら ば !!!」 メモリア「こうして世界は平和になったのでした・・・(チャン、チャン♪)」 慰月「あれ、音楽演奏できてる!やったねめもめも!」 メモリア「だからナチュラルにめもめも言ってるんじゃねぇぞクソッタレー!!(ドゲシ)」 慰月「効果音に紛れて頭撫でるのはやめ・・・なくていいです!」 AS「具、買ってきたぞ。」 ディレイ「有能だな」 AS「お前とは違うからな」 ディレイ「・・・(イラッ)宣戦布告と受け取った、構わないな?」 慰月「ちょ、ちょっと、すと、ストップ!これから鍋だし、やめよーよ!ね!」 AS「いいだろう、やるか。」 メモリア「・・・これは、あ、アイデアが、きた!!」 慰月「これもうだめだね」 メモリア「(激しい曲調の演奏をする)」 慰月「ああ、何だか鍋に使いそうにない具まで買ってきてるぞあの人。」 慰月「これ鍋じゃなくて、あれとかこれとかの、どうでもいいごった煮ができちゃった。」 慰月「何だか今日はやたらセクハラされた気がするぞ、でも何だかよく分からないごった煮食べれたし別にいいかな。」 この後お腹壊して無茶苦茶げりピー子になった。 おわった。